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生贄の 人妻
第11章  8月の麻衣 報告に そして契約の為
7時

拓哉が悲しそうな顔で 玄関の中へ
麻衣に視線を合わせずに 小さく

「 ただいま 」

呟くように言うと 自分の部屋で着替えて
二人の会話の無い夕食が 
麻衣がキッチンから戻り 静岡から通販で
取り寄せた 無農薬のお茶を差し出すと

「 ありがとう 」

初めて 笑顔を麻衣に向けて 出してきた
笑顔で返した時 拓哉が聞いて来る

「 昨日は? 」

麻衣は 拓哉の目を見て

「 報告書渡して その後社長と お食事 」
「 食事の後は? 」
「 社長がもう少しお話したいって 言うから
  お部屋で少し お話して 社長帰って行った 」

拓哉の悔しそうな顔が 麻衣を見て 目に光が浮かび 
奥歯を噛みしめる音が麻衣にも聞こえた

・・・ギリ・・・ギリ・・・

顔の表情が安らぎ

「 お疲れ様 」
笑顔を出して

「 お風呂 入ろうか? 」
麻衣を誘ってきた 
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