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生贄の 人妻
第16章  取り残された 夫達
4月最後の金曜日 明日から
ゴールデンウィーク

小島のマンションのリビングで
夫妻の前に森は座り 舐める様な目で 
妻の香織を見つめた

香織が まだグラスの ちゃんとしたのが無くて
申し訳なさそうにグラスの3分の1に 青い模様の付いた
グラスを3個 テーブルに置き
香織が出して来たグラスに
森はワインを注いだ

二人のグラスに注ぎ 手酌しようとした姿に
香織が慌てて 森からワインを受け取り 
森の差し出す グラスに注いで

「 乾杯!! 」

嬉しそうな森の声がリビングに 響いた

奥さん 名前は?」

「 香織と 言います 」

「 奥さん噂通りの 美人だね 大学の時
  ミスキャンパスに 選ばれたとか? 」
嫌らしい目で 香織を見つめて森が言い

「 どうせなら 奥さん 私の隣に 」
森が香織を誘い 香織は困った顔で夫の顔を見ると
俯いたまま 香織の背中をそっと押して

「 部長の 隣に・・・ 」
香織は立ち上がって 森の隣に座り 差し出された
グラスにワインを注いでいく 香織の履いている
白いジーンズの太腿に大きな手が当てられ 
香織は部長の手を押さえて 外そうと手を握った時

「 小島君 奥さんに話してないのかな? 」
押さえた手が止まり 部長と夫の顔を見た
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