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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日
 8

「………………」

 直接の教え子では無いにしても、わたしの教師、高校バスケの監督時代に高校生だった彼女に…
 しかも、やはり、同じ条件の9歳も歳下の彼と別れてくれと嘆願されてしまう。

 もう最初からわたしの勝ち目は無かった…

 そして彼女もわたしがすんなりとその嘆願の思いの訴えを、聞き入れるに違いないと、いや、こうして訪ね、突入さえすればわたしがすんなり受け入れる筈だ…
 と、思っていて、いや、確信的に信じての訪問なのだろうと、彼女のその目を見て、わたしは感じ、思っていた。

 もう、こうして彼女の来訪を受け入れた時点で決まっていたのだ…
 そしてそれは最初から分かってはいたのだ。

 だが…

 いや…

 この時点でわたしには抗うつもりはないのだが…

 そしてわたしは元教師だから…

 その仮面は脱げないから…

 応え、答えは決まっているのだが…

 心の奥底から、ムクムクと、少しへそ曲がり的な、いや、本来のわたしの天の邪鬼的なひねくれた…
 ううん、いや、違うのだ。

 ビッチなクソ女の意地悪で性根の悪い本来の自分の感情が湧いてきたのである…

「ふーん…そう…そうここに来て、そう目を潤ませながら訴えたら…
 わたしがすんなり頷くと思ったの?」

「え、あ?…」
 わたしのへそ曲がりで天の邪鬼で、クソ女ビッチの性根がそう言わせたのだ。

「ふぅん、そうなんでしょう?
 どうせ、このイロ呆けしたおばさんならなんとかなるってさぁ…」
 ビッチ女の暴走が止まらない。

「え、あ、ち、違う、違います…」
 彼女は急に慌て、狼狽えてくる。

 それはそうであろう…
 まさかの予想外のわたしの反撃だから。
 
 いい人であり、常識人である筈の元教師は素直に引くと間違いなく思っていたのであろうから…



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