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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日
 7

 かなり動揺しながらも彼女をリビングのソファに導き…
「コーヒー飲める?」
 と、自分を一度落ち着かせる為にもコーヒーを淹れる。

 そしてその淹れたコーヒーを一口飲み…
「………」
 黙って彼女、Мさんの顔を見た。

 こうして自分からわたしを訪ねてきたのだ…
 きっと彼女が色々と、そしてわたしの知りたい、聞きたい事の全部を自ら話してくるだろう。

 すると彼女も多分、自分を落ち着かせる為だろう…
 出したコーヒーを一口飲み、そして意を決したかの様に少し頷き、わたしを見つめて、その美しい唇を開く。

「あ、あのぉ…私、あ、多分、あの、し、知ってますよね?」
 それはきっと和哉のXツイッターを読んで知っている…
 という意味に捉えられ、黙って頷いた。

「あ、あのぉ、美紀谷先生…私…」

「えっ、ち、ちょっと待って…
 わたしはもう先生じゃないからさ」
 と、その過去のアキレス腱的総称を遮った。

「あ、は、はい、す、すいません、あ、じゃ、み、美紀谷さん…」

「うん、いや、悠里、ゆりでいいわよ、あ、それともYが良いかな?」
 それはわたしの精一杯の抵抗の抗いの言葉。

 どうせ彼女の言いたい事は分かってはいるし…
 それにより、もう既にわたしは彼女の先制パンチによりKO寸前の負けを認めていたから。

「は、はい、じゃ、悠里さん…
 あ、あのぉ…そのぉ…あ、か、か…」

 か、和哉さんと別れてください……
 彼女は意を決したかの様な表情で、真剣に、そして目を潤ませながらそう言ってきたのだ。

「か、和哉さんを、私にください」
 膝に置いてある両手の指先が震えていた。

「……………」

 やはり…

 やはり、想像、いや、予想していた通りの展開だ…
 まるで絵に書いたかの様な、いや、そこいらに溢れている安っぽい恋愛小説のお話のくだりの展開である。
 
 わたしはその時、やや興奮気味な表情でそう慟哭の訴えをしてくる彼女を黙って見つめながら、心の中でそう思っていた…
 それにまた、意外に冷静な自分に驚いてもいた。

 でも、やはり、この展開しか無いよね…とも。

 そして、わたしの応え、答えももう決まっているのよね…とも。

 だって…
 彼女の様に、こうして恋仇の家に押し掛けてきて、この展開を、このセリフを言えは、ううん…

 言ったモン勝ちだから…
 

 
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