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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日
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 だが…

 だけど…

 それは、本当は本意ではなかった。

 本当の思い、想いからでの態度、言葉のドライさではなかったのだ…

 それは…

 そのドライさ、ドライな素振りは本意ではなく…

 演技、フリ、ドライなフリ、ウソの態度なんだ。

 本当は、本意は、本音は…
 このまま一緒にシャワーをしたり、朝までベッドで戯れ、抱き合って寝たり等々と、過ごしたい。

 だけどわたし達はセフレの関係…

 9歳の年齢差があり…

 他校とはいえ元生徒と、元教師という過去があり…

 男女の違いはあれども、わたしは当時県内最強、いや、全国でも有数な高校女子バスケの指導者であったり、和哉自身も県内では最強の男子バスケの選手であったという経歴があり…


 そしてなにより、そんな和哉のわたしを見る憧憬の目に、昔飼っていたペット犬の『ビッケ』に対する想いをカブらせ、愛玩的な想いというきっかけもあったのだ…

 それにそれらの想い、思い等々の様々な要素が相まって、わたし自身で自らの心の中に高い壁を作り上げ、完全に情が移らない様にと…

 いや、愛してはいけないと…

 自らを必死にそう律し、言い聞かせ、ギリギリの距離を保ってきていたはずなのであった。

 そうやって、紆余曲折ありながら、この約2年間という時間…
 いい時間、距離、関係を保ってきた、いや、保ってきたはずなのだ。

 だからこのうわべのドライさに…
 いや、ウソのドライさはいつもの事で二人の間には格別な変化はなく、和哉にとってはそんなわたしと過ごしてきた日常のひとつ、一時、いつもと変わりない会話といえるのである。

「もう帰りなさい……ね…」

 そう、このわたしのドライな言葉は…

 和哉には違和感はないはずなのだ…




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