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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日
 48

 もうスッキリした…
 和哉とはスッキリした、いや、スッキリしたはず…

 もう終わり…

 和哉とは…
 もう終わり…

「もうスッキリしたんでしょう?」
 わたしは股間の後始末を終え、スッと立ち上がり、和哉を見据えて…
 いや、和哉の後ろの見えない戸の暗い隙間を…
 ううん、その隙間からこちら、いいや、わたしを見つめているであろう見えない麻耶さんに向かってそう問うた。

「あ、は、はい、きもちよかったっす」
 やはり和哉もディッシュで自らの分身を拭きながらそう答える。

「そう、よかったわね…
 忘れないでね…」
 わたしはそう呟き…

「え?」
 そして和哉はその言葉の意味が分からない、いや、なんの事なのか?…
 みたいな顔をしながら疑問の声を漏らすのだが…

「さぁ、もうスッキリしたんなら、帰りなさい」
 と、わたしはそう突き放す様に言い放つ、いや…
 命令する。

「え、あ、は、はい、うん…」
 本当は、和哉の中ではこの後、続けて寝室でもう再び、わたしと…
 という僅かな思いがあったのかもしれない。
 だがいつもわたしは、まるでオトコみたいに、ヤリ終わるとスッと醒めた、冷めたかの様な態度で、和哉の帰宅を促すパターンが多々あった。

 だから今夜もこう言う、冷たく言い放ってくるこのわたしの態度、豹変ぶりには慣れているのだろう…

「あ、はい…」
 と、素直にそう応え、そして立ち上がり、帰り支度を整えてくる。

 そう、いつもわたしは、ヤリ終わったわたしは…
 途端にドライになるのだ。

 だが…

 だけど…

 それは、本当は本意ではなかった。

 本当の思い、想いからでの態度、言葉のドライさではなかったのだ…

 

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