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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日
 55

 やっぱりわたしは変態なのかなぁ…

 この展開を面白がっている、もう一人のわたしがそう心に囁いてくる。

 そして、ビッチなサディスティックな衝動は止まらない…
 いや、ますます拍車を掛けてくる。

「だからさぁ、ほらぁ、さっきもさぁ…
 嬉しそうにさぁ、うっとりした表情を浮かべてさぁ…
 わたしのストッキングの爪先を舐めてきたでしょうよぉ…」

「っ……」

 麻耶さんが隠れていた奥の部屋からは、絶対にその姿、様子は見えないし、見えるはずもない…
 だけどわたしは敢えて、それを分かっている上でそう伝える様に言ったのである。

 そして、それは、さっきまでのわたしと和哉の痴態を麻耶さんが再度、思い浮かべるスイッチになる事もわかった上で、敢えてそう言ったのだ…

 そう、もう一度、麻耶さんの心を、いや、もっともっとかき乱らせる為に…
 もっと狂わせる為に…
 サディスティックなビッチなわたしがそうさせてくる。

「和哉はねぇ…
 ストッキングが大好きなの、それもねぇ、日中に穿いていてさぁ、臭ぁい脚のさぁ、足先の、爪先のニオイがするストッキングの爪先がねぇ…
 大好き、ううん、大好物なのよぉ…」
 わたしは敢えて、いや、ワザと、そう、まるで和哉が変態であるが如くの言葉を選び、そしてやや大袈裟な表現でそう話していく。

「……………」
 それを聞いている麻耶さんは、真っ赤な涙目で、驚き、いや、茫然とした、ううん、茫然自失といえる様な表情を浮かべ、わたしを睨みつけていた。

「特にさぁ、わたしが朝から一日中穿いていたストッキングのニオイが大好きみたいでさぁ…
 もうその爪先を目の前に差し出してあげるとさぁ…」

 わたしのビッチでクソ女の衝動の昂ぶり、高ぶりが止まらない…

「それはもぉ、うっとりとした笑みを浮かべてさぁ…
 そんなわたしの爪先を神々しく両手で包み持って、ホントにうっとりとした表情で鼻先に持ち、舌先を伸ばして嗅ぎ、舐め、しゃぶってくるのよぉ…」

「……………」
 なんとなくだが、微かに、麻耶さん目がウルウルと揺らぎ始めてきているような…

「またそのうっとりとした和哉の表情がねぇ…
 わたしのさぁ、子供の頃に飼っていたペットのさぁ……」


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