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The Bitch (ザ、ビッチ)
第3章 2024年2月18日日曜日
16

 もう和哉に対しての愛情を完全に認識してしまったから…
 ペットのビッケという距離感は、これからは保てない。

 だからこそ、やはり、間にワンクッションを…
 もう一人の誰かの存在を置く必要がある。

 そして、やはり、その存在が、とりあえずのオックンなのかもしれない…
 いや、今ならば…だ。

 わたしは昨夜、決してオックンに対して…
 あの寝落ちに対しての怒り、いや、怒ってはいない。

 もしかして、あ、いや、本当にラインの内容の様に仕事の疲れのせいなのかも、ううん、そのせいなのかもしれない。

 だったら、もう一度、オックンにリベンジさせてあげても良いのではないのか?…

 それが、そのオックンの存在が、わたしと和哉の間にいい距離感を保てるのではないのか?…

 そうよ、そう…

 それまでの、いや、和哉と知り合う前迄のわたしは…

 バーや居酒屋で、軽く男を求め、ヤリ捨てしていた『ビッチ』な女じゃなかったのか…

 低気圧で心が不安定になり、男を求めて巷を彷徨っていた『クソ女』だった筈じゃないのか…

 わたしは一体、何を躊躇しているのか…

 そうよ、わたしはクソ女のビッチな女だったはず…

 わたしはスマホを手に取り…

 着信履歴のオックンにリダイヤルする。


「もしもし…」

「あ、ゆ、悠里…」

「うん…」

「あ、あの…お、オレさ…」

「うん、明日の夜会えるかな?」

「え、あ、明日の夜、大丈夫だよ」

「うん、じゃあ、明日の夜に…」


 










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