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淫獄地域枠 リコ先生は村のみんなのお嫁さん
第9章 第8話 やさぐれ医学生のセイジくん(25歳)
「畿内医大では医学部6年生のアドバンスト・クリニカルクラークシップで1か月は僻地の診療所で臨床実習を受ける決まりなんだけど、|岬《みさき》|誠治《せいじ》君っていう医学生はあまりにも不真面目で大阪府内での地域医療実習で遅刻や無断欠席が多発していたらしくてね。そのせいでこのままでは卒業させられないっていう話になって、地域医療実習を担当している教授の先生が山陰大学出身だったから急遽この村で2週間の実習を受けることになったんだよ」
「それはまた複雑な事情ですけど、今時の医学生でそこまで不真面目な人って珍しいですよね。何か事情があったんですか?」
「うーん、決めつけはよくないけど岬君の両親って大阪府内でもそこそこ大きめの美容皮膚科クリニックを経営しているやり手の開業医さんらしくてね。そもそも臨床医学自体にあんまり興味ないんじゃないかな……」
「みさきクリニックって私でも名前聞いたことありますよ。私立医大ってやっぱりお坊ちゃん多いのかなー……」
四谷先生によると岬君という医学生が夏休み中の8月上旬に中井戸村にやって来ることになったのはこの実習自体が埋め合わせ目的だからで、岬君の卒業が認められるかには私からの評価も影響してくるとのことなので私は国試浪人経験者としてよほどひどくなければ満点をつけてあげようと心に誓いました。
とはいえ私自身は繰り返すように庶民の生まれで、実家の年収が億単位でありそうな私立医大の医学生さんとはそもそも話が通じるのか不安になりました。
そうこうしている間に8月はあっという間にやって来て、私は四谷先生と共に診療所で彼にオリエンテーションをすることになりました。
「それはまた複雑な事情ですけど、今時の医学生でそこまで不真面目な人って珍しいですよね。何か事情があったんですか?」
「うーん、決めつけはよくないけど岬君の両親って大阪府内でもそこそこ大きめの美容皮膚科クリニックを経営しているやり手の開業医さんらしくてね。そもそも臨床医学自体にあんまり興味ないんじゃないかな……」
「みさきクリニックって私でも名前聞いたことありますよ。私立医大ってやっぱりお坊ちゃん多いのかなー……」
四谷先生によると岬君という医学生が夏休み中の8月上旬に中井戸村にやって来ることになったのはこの実習自体が埋め合わせ目的だからで、岬君の卒業が認められるかには私からの評価も影響してくるとのことなので私は国試浪人経験者としてよほどひどくなければ満点をつけてあげようと心に誓いました。
とはいえ私自身は繰り返すように庶民の生まれで、実家の年収が億単位でありそうな私立医大の医学生さんとはそもそも話が通じるのか不安になりました。
そうこうしている間に8月はあっという間にやって来て、私は四谷先生と共に診療所で彼にオリエンテーションをすることになりました。