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第11章 劇場型アクアリウム　átoa

頭上に湾曲した水槽が伸びる
独特の形をした水槽には。
大型の淡水魚が泳いでいるのが見える。

アマゾンの川に居そうな魚たちだ。
ピラルクにコロソマ。
レッドテールキャットフィッシュなどが居る。

『このエリアはつい先日
大幅リニューアルしたばかりなんですよ』

今、私達が居るこの
オーバーハング水槽のある
FOYERのエリアは。
つい先日の３月８日に…átoa LABに
リニューアルされたばかりで。

お魚を眺めながら、色んな本を
座って読めるスペースもある。
本棚は黒を基調としていて。
シックでスタイリッシュな空間だけど
本には絵本も多くあるから
小さいお子さんも楽しめそうな感じだ。

オーバーハング水槽前の床には
銀色のプレートが埋め込まれていて。
よくよくそのプレートを見ると
色んな魚のイラストと…
その上にトーナメント表の様に
線が伸びて行って居て。

『何ですかね？それ、
海のトーナメント大会ですかね？』

これはトーナメント表…ではなくて、
約1億5000年前からの進化の軌跡を
たどる系統樹。魚が遺伝的に
分岐した年代が詳しく書かれています。

このエリアのリニューアルは
元々このエリアに居た
お魚の水槽はそのままで
展示されているお魚が変わったのではなくて。
その名の通りに…どこかその
いろんな形になってエリアを覆って居る
黒い沢山の本棚が…研究室感を出している。

このエリアの蔵書は、
２５００冊あるのだそうだ。
年間パスも…この２月から平日だけでなく
土日も入館できるようになったらしいので
ここでまったりと本を読む為に
年パスで入り浸るのも…良いのかも知れない。

今は丁度…リニューアル記念で
小説家・荒俣宏さんの特別企画
「水族館学のススメ」が
５月まで開催されている。

ここには…アトアを象徴する
ある物が展示されていて。

『巴さん、これ可愛いですよ
ドット柄のエイが居ますよ』

このドット柄、水玉模様の
エイはポルカドットスティングレイと
いう名前のエイで淡水のエイなのだそうだ。

「可愛い…ドット柄のエイだ」

黒の身体に…白いドットが乗っている。