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籠の鳥
第2章 ご奉仕
忍さんが部屋を後にすると、要さんが私の拘束を解いてくれた。


身体中を支配する倦怠感…
私には逃げる気力さえ残されていなかった。


要さんは、私を抱き上げるとベッドに移動して私を寝かせた。


「少し、おやすみ下さい。
目覚めた頃に お食事をお持ちしますね」

そう言って 要さんは部屋をでていく。


私は、要さんの後ろ姿が消えるのを確認して、静かに目を閉じた。






カチャリとドアが開く音がして私は、目を覚ます。
どのくらい眠っていたのだろう?

この部屋に時計はないが、外を見る限り昼に近い日差しが見えた。


「少しは、やすめましたか?」

手にしたトレーを サイドテーブルに置くと、要さんがゆっくり私の身体を起こす。


スルリとブランケットがずり落ちて、私の胸が露になった。

「あっ///いゃっ」


身体を捩ろうとした瞬間、全身を筋肉痛の痛みが襲う。


そんな私に気付いた要さんが、ローブを着せてくれた。


まるで、子供に服を着せる様に…


「この分では、食事も儘ならないでしょう」


要さんは私の隣に腰掛けると、スープをひと匙すくい 私の口元に近付けた。


暖かなスープは、食欲を誘う香りを漂わせていたが、
【生きるため】に摂取する食事…


今の私には、なんの意味もナイ気がした。


「食べたくない…」


顔を反らせた私の横でクスリと要さんが笑う声が聞こえた。

「しかたのないかたですね。」


反らした顔を無理矢理 向かい合うように向けられたかと思うと、唇が重なる…


重ねられた唇から、先ほどのスープが流し込まれた。


「んっ…」


「お嬢様がお望みなら、こうして食べさせてあげますが?
如何 いたしますか?」


私は、慌ててフルフルと首を横に振った。


「それでは、ご自分でちゃんと食べて下さいね。」


私の口元に食事を運びながら、要さんは
「それから…」と、言葉を続けた。



ご主人様から、与えられた食事は拒んではいけないと…







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