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籠の鳥
第9章 末路
「匠さん お帰りなさい」

イギリスの片田舎、 仕事から戻った匠さんを出迎えに 玄関まで走る。


飛び付く様に、匠さんに抱きつく私を 愛おしそうに抱き締めると、唇が重なる。

「ふぅっ…匠さん…大好き…」


匠さんは私を抱上げリビングに入ると、テーブルの上に用意された食事のフリッターをつまみ食いする。


「あっ… 匠さん、お行儀悪いっ」



「ふふっ 蓮、また料理の腕を上げたんじゃない?」


匠さんは、ゴグリとフリッターを飲み込むと、ソファに私を下ろして隣に座る。


「ただいま、蓮…」


匠さんの優しい口付けに答える様に、その背に腕を回す。


まるで恋人同士のような甘い時間がながれる…


「蓮… 大好きだよ」


匠さんの言葉に、頬を染めて俯くと、抱き締める腕に力がこもった…









私は今、
匠さんの【恋人】を演じている。


だって…
ご主人を喜ばすのが【玩具】の勤めだから。





~END~



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