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人妻愛人契約
第5章 移りゆく季節の中で~秋、素足の魔女
季節が秋へと変わった9月、希実は、旅館組合が新たに設けた広報室長に就任することになった。善一が理事会で、コスプレフェスティバルの開催を提案し、満場一致で認められたのだ。希実は、コスプレフェスティバルの実行を任されるとともに、東ノ沢温泉のPR全般を任されることになった。
希実は張り切っていた。昼間、旅館組合の事務所に行くことが多くなり、時々、東京や大阪へ出張にも出かけていった。もちろん、良泉館の女将としての仕事を疎かにすることもない。
「そんなに働いて身体壊さないか」
祐樹は心配したが、
「そんな軟じゃないわよ」と希実は一笑に付した。「それより、アプリ、すごく評判いいわよ。みんな仕事が楽になったって言ってるわ。それにお客さんからのクレームも目に見えて減ったし」
「へへへ、そうだろう。実はそのことで希実さんに相談したいと思ってたことがあるんだ」
「なに? 違うアプリでも開発するの?」
「いや、そうじゃない。ちゃんとした顧客管理システムをつくろうと思うんだ。アプリと連動したやつ。その日のお客さんの情報を共有するだけじゃなくて、お客さんの好みなんか、データベースにして、次にその人が来たとき、その人にあったサービスを提供できるようにする。それができれば、もっとリピーターが増えると思うんだ。どうかな?」
「凄いよ、祐樹」希実は心から感心したように大きく頷いた。「やろう。それ絶対やろう」
「お金が少しかかるかも知れないけど、いいかな」
「投資だもの、しょうがないわ。なんとかするから、がんばって」
「それともう一つお願いなんだけど、スタッフが一人欲しいんだ。さすがに僕だけだと難しいかもしれないから」
「スタッフねえ……。わかった。それも何とかする」
希実は、祐樹に向かって親指を立てた。
希実は張り切っていた。昼間、旅館組合の事務所に行くことが多くなり、時々、東京や大阪へ出張にも出かけていった。もちろん、良泉館の女将としての仕事を疎かにすることもない。
「そんなに働いて身体壊さないか」
祐樹は心配したが、
「そんな軟じゃないわよ」と希実は一笑に付した。「それより、アプリ、すごく評判いいわよ。みんな仕事が楽になったって言ってるわ。それにお客さんからのクレームも目に見えて減ったし」
「へへへ、そうだろう。実はそのことで希実さんに相談したいと思ってたことがあるんだ」
「なに? 違うアプリでも開発するの?」
「いや、そうじゃない。ちゃんとした顧客管理システムをつくろうと思うんだ。アプリと連動したやつ。その日のお客さんの情報を共有するだけじゃなくて、お客さんの好みなんか、データベースにして、次にその人が来たとき、その人にあったサービスを提供できるようにする。それができれば、もっとリピーターが増えると思うんだ。どうかな?」
「凄いよ、祐樹」希実は心から感心したように大きく頷いた。「やろう。それ絶対やろう」
「お金が少しかかるかも知れないけど、いいかな」
「投資だもの、しょうがないわ。なんとかするから、がんばって」
「それともう一つお願いなんだけど、スタッフが一人欲しいんだ。さすがに僕だけだと難しいかもしれないから」
「スタッフねえ……。わかった。それも何とかする」
希実は、祐樹に向かって親指を立てた。