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官能能力者 あおい
第22章 合宿前夜
いよいよ明日から合宿だ。
この日まで、委員長と何度か連絡を取り合い、準備について確認してきた。
パッキング等は何度も確認したので大丈夫。

明日は8時に東京駅に集合だ。
決して早い時間ではないが、ゆっくりもしていられない。
早く寝ないと・・・って・・・寝れない・・・。

私はベッドの上で何度も何度もコロコロしてしまう。
林間学校と違って、クラブ合宿なので人数は少ない。
行きの新幹線から帰るまで、ずっとほぼほぼ同じ空間に委員長と一緒にいるのだ。
一緒にいる、から、何だというのだが、ただただ、緊張してしまうのだ。

ダメだ・・・。
私はがばっと起き出し、スマホを見る。
23時15分・・・
まだ、起きてるよね?
私は、透子さんにメッセージを送ってみた。

私「透子さん、起きてますか?」
・・・ぽーん
 透子「起きてるよん」
私「少し、お電話していいですか?」
 ぽーん
 透子「いいよ」

電話をかけるとすぐに出てくれた。
「どうしたの?何かあったの?」
なんか、心配そうな声。
そうか、心配させちゃったか・・・。

「いや、そうじゃなくて・・・明日のこと考えたら緊張しちゃったのか眠れなくて・・・」
申し訳ないと思いつつ、こういうときについ、透子さんに頼ってしまう。
この間「バカ」と独りごちしたのはもちろん内緒だ。

透子さんはなーんだそんなことか、とあからさまに安心したような様子で、
「大丈夫よ。ぜーったい、委員長はあおいちゃんこと、1000%好きだから。
 なんなら、あおいちゃんの能力を知っても、全然OKなんじゃないかな?」
と気楽に言った。

「そ、そんな・・・人ごとだと思って・・・」
私はやや涙声。本当に悩んでいるのだ。乙女の悩みは深いのだ。
「まあ、そうね。好きなのは好きなんだろうけど、ここで一発、もう少し距離を縮めたいわよね。そうねー・・・。
 では、お姉さんが、良いことを伝授してしんぜよう。
 女の子の心得その1!」
すこしもったいぶるように溜める。
「安売りはしちゃダメ!じりじりっと焦らすのよ。
 『ああ!この子に触れたい、抱きしめたい!』
 っていう、男の子の欲望を限界まで高めるべし。
 尻の軽い女はそれだけで下に見られるわよ?」
うう・・・そういう思いならビンビン感じるんですけど。
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