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妄想実現SMクラブFiveHours番外編 (短編)
第3章 覚醒した男
この時、縄は見えない背後に回り、優季の背中では縄が縦に伸び、縄の軸ができていた。後ろに回され、縛られた腕が下がるのを防ぎ、吊り上げ、胸に掛けた縄が緩まないようにする仕掛けだった。それは人間の背骨のような役割を果たすものだった。

その縄の軸に掛けられた縄をジュンが引くと、胸元の縄が締り、体が彼の胸に手繰り寄せられる。拘束を解こうとする感情が無意識に現れ、体を揺らしてしまう。だが、「ハッ…」と甘い吐息と共に、縄の力に負け、後ろに感情も持っていかれそうになる。そして抱きしめられるような感覚の中、胸元の縄はきれいに揃えられ、流れる縄を無意識に追ってしまう。

丁寧に、丁寧に、体に縄を巻かれる。自分という大して魅力がない女に対して、ここまで丁寧にされることに胸が熱くなり、素肌に触れてくる優しさを相手の気持ちとして受け入れてしまう。

優季はジュンがしっかりと背中の軸縄に結び目を作りやすいように、自ら体を前に倒し、縄が、締められ、留められ、胸元がギュッとされる彼の縛りを受け入れた。
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