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月の裏で会いましょう-revised-
第7章 陸翔と昴
私の質問に、昴は答えなかった。立ち尽くす昴を抱きしめた。兄がやったんだと直感した。


ゆったりとしたソファ席に昴を座らせて、おしぼりで血をぬぐって、氷水でぬらしたタオルで、腫れた場所を冷やした。



「俺さ、咲良と離れるなんて、考えられないんだよ」



別れなければ殴る、とでも言われたのか。そしてこの傷を見れば、何をされても別れない、と昴が言ったに違いなかった。ここまで人を痛めつけるなんて、兄は常軌を逸している。途方もない怒りと、兄への恐怖で、体の芯がわなわなと震えた。



「ごめんね昴…」
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