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月の裏で会いましょう-revised-
第9章 幽霊
玄関ドアを開けると、吹き抜けになった玄関ホールから二階に向かう階段が伸びている。一階の奥にはリビングルームがあるのが、ガラス扉越しに分かった。

エプロンをかけた人が洗濯籠を持って、ホールを通り過ぎる。私は慌ててその女性に向かって頭を下げた。

「あら、昴くん。お母さんはいまリビングでお茶飲んでるよ」
エプロン姿の女性は笑顔で言うと、私にちらりと視線を向けた。
「こんにちは。彼女さん?いいね。お母さん喜ぶよ」
そう言って女性は立ち去っていく。
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