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第11章 どこへ

昴は答えず、私を引き寄せて抱きしめた。

「めっちゃ、会いたかったよ」

「嫌われたのかと思った」

「俺が？咲良を？嫌うわけないじゃん」

耳たぶを吐息でくすぐるように昴が囁いた。

「咲良と一緒に、溶けたい、今すぐ」

耳が熱い。避けられているのではなかったとわかった瞬間、全身がわなわな崩れ落ちそうになった。

「昴」