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月の裏で会いましょう-revised-
第14章 別れ
食器を片付け、お風呂で温まり、部屋に上がった。
私が使っていた部屋はそのままだった。
小学校高学年の頃、これからは読書が大切だから、といって父が買ってくれたのに、その期待を裏切って少女漫画で埋まったパイン材の本棚。
卓上鏡と、バイト代で買い集めた安い化粧品が並び、ドレッサーと化している勉強机、ベッドの枕元に寝転んだ猫のぬいぐるみ。
まるで昨日までここに暮していたもう一人の学生の自分がいるみたいに、昔の状態のままになっている。
自分のベッドに横になり、長いため息をつく。
私が使っていた部屋はそのままだった。
小学校高学年の頃、これからは読書が大切だから、といって父が買ってくれたのに、その期待を裏切って少女漫画で埋まったパイン材の本棚。
卓上鏡と、バイト代で買い集めた安い化粧品が並び、ドレッサーと化している勉強机、ベッドの枕元に寝転んだ猫のぬいぐるみ。
まるで昨日までここに暮していたもう一人の学生の自分がいるみたいに、昔の状態のままになっている。
自分のベッドに横になり、長いため息をつく。