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月の裏で会いましょう-revised-
第14章 別れ
私は口ごもった。頭上に広がるブナの枝の葉が、夏の風を受けてざわざわと音を立てて、私と荘司は並んで、せわしなく揺れる葉の群れを見上げた。
視界を横切るようにしてトラックが滑り込んできた。
運転席に座っている昴が、攻撃的な鋭い目つきで私の方を見ていた。
気づけば荘司との距離は肩を触れ合わせるほど近かった。かつてお互いに惹かれ合っていたころに気持ちが引きもどされていた分、私たちの間には親密な空気が漂っていたはずだった。
見られたくないところを見られてしまった。
視界を横切るようにしてトラックが滑り込んできた。
運転席に座っている昴が、攻撃的な鋭い目つきで私の方を見ていた。
気づけば荘司との距離は肩を触れ合わせるほど近かった。かつてお互いに惹かれ合っていたころに気持ちが引きもどされていた分、私たちの間には親密な空気が漂っていたはずだった。
見られたくないところを見られてしまった。