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月の裏で会いましょう-revised-
第3章 再会(1)
朝。
仕事場である高原リゾート「フォレスト」に向かう車中、私は助手席であくびをかみ殺していた。ハンドルを握る兄の陸翔(りくと)が、呆れ顔でため息をついた。
兄は同じ「フォレスト」の従業員で、フロント部門の責任者。一般企業に置き換えれば、中間管理職だ。私はレストラン部門の担当社員で、30歳になるというのにまだ役職もない。
「一晩じゅうどこ行ってたんだよ。まじで心配したんだぞ」
陸翔の言葉を無視して黙って窓の外を見ていると
「・・・一応確認するけど、男じゃないよな?」
わかりきっているけど、といった感じで、陸翔が尋ねた。
仕事場である高原リゾート「フォレスト」に向かう車中、私は助手席であくびをかみ殺していた。ハンドルを握る兄の陸翔(りくと)が、呆れ顔でため息をついた。
兄は同じ「フォレスト」の従業員で、フロント部門の責任者。一般企業に置き換えれば、中間管理職だ。私はレストラン部門の担当社員で、30歳になるというのにまだ役職もない。
「一晩じゅうどこ行ってたんだよ。まじで心配したんだぞ」
陸翔の言葉を無視して黙って窓の外を見ていると
「・・・一応確認するけど、男じゃないよな?」
わかりきっているけど、といった感じで、陸翔が尋ねた。