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月の裏で会いましょう-revised-
第18章 絶望
体が舞い落ちる間、様々な記憶がよみがえった。
自宅でふと目にした、私名義の通帳、入金履歴に並んだ「ヤナガセアキヒロ」の文字。
当時はそれが、いったい誰なのかわからなかった。しかし、あれは、自分の娘に対する父としての責任、償いだったのだろうか。
記憶が、切り替わる。
私は、アルバムをめくっている。そこで、頭の片隅にいつもちらついていた疑問が頭をもたげる。アルバムをいくらめくっても、母が妊娠中の写真がないのだ。なぜなのか。