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第19章 目覚め

生まれたての赤ん坊を抱く、若い女性の姿を思い描いた。

───「私がこの子を抱いた今この時が、この世に生を受けた瞬間だ」

そんなふうに、育ての母は念じたのだろうか。


不意に、涙が零れ落ちた。


「私の命は、いろんな人に救われてここまで来たのかな」


陸翔は深くうなずいた。


「みんな、お前のことが大事なんだよ」


涙が止まらない。


「それなのに忘れてしまって、ごめんなさい」