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月の裏で会いましょう-revised-
第19章 目覚め
翌日、育ての両親が来てくれた。
「ずっと大事に育ててくれたお母さんとお父さんのことを、思い出せなくて、ごめんなさい」
私は正直に謝った。
「無理しなくていい」
そう言いながらも、二人は明らかに戸惑っていた。
深い孤独感が、私にのしかかる。
周囲の人々に恵まれた境遇であったにもかかわらず、誰に会っても見知らぬ人に思えた。みんなから自分が恩知らずに映っても無理はなかった。そんな印象を与えてしまう自分が情けなかった。