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第19章 目覚め

「俺は、君の母親の以舞を、心から好きだった。
　だから君を産んでくれた彼女には、心から感謝している。
　けれども今、君には、育てのご両親がいる。
　俺は君の父親だと堂々と言えるようなことは、何もしていない。
　君にとって一番の存在は、今のご両親だ。それだけは、言っておきたい」


柳ケ瀬はそう言い残して立ち去って行った。もう二度と、その人には会えない気がした。