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月の裏で会いましょう-revised-
第20章 月の裏側へ(1)
昴はぽつりと言った。言葉数の少ない昴からは、彼の思いを推し量ることができなかった。
私は閉店したバーに再び忍び込み、スミノフアイスを二本持ちだして昴をデッキチェアに座らせた。
「どこから来たの」
「T県」
「遠くから来たのね。ここにはしばらくいるの?」
「二泊くらい」
「・・・一緒に来る彼女さんとかはいないの?」
昴は答えず、細い瓶を傾けて飲み干し、ため息をついた。
「大好きな人はいるよ。でもその人も今、長い旅に出ちゃってる」
「そうなんだ。自由な人なのね」
「優しくて、強い人だよ」
「そう」
昴は星を見上げて、ゆったりとほほ笑んでいる。
「本当に好きなんだね。私はその人に会ったことあるのかな」
私が尋ねると
「よく知ってるはずだよ」
昴が答えた。
「いずれ思い出すかな」
空を見上げる。
「俺とその人のこと、聞きたい?」
昴が背もたれから起き上がって言った。
私は閉店したバーに再び忍び込み、スミノフアイスを二本持ちだして昴をデッキチェアに座らせた。
「どこから来たの」
「T県」
「遠くから来たのね。ここにはしばらくいるの?」
「二泊くらい」
「・・・一緒に来る彼女さんとかはいないの?」
昴は答えず、細い瓶を傾けて飲み干し、ため息をついた。
「大好きな人はいるよ。でもその人も今、長い旅に出ちゃってる」
「そうなんだ。自由な人なのね」
「優しくて、強い人だよ」
「そう」
昴は星を見上げて、ゆったりとほほ笑んでいる。
「本当に好きなんだね。私はその人に会ったことあるのかな」
私が尋ねると
「よく知ってるはずだよ」
昴が答えた。
「いずれ思い出すかな」
空を見上げる。
「俺とその人のこと、聞きたい?」
昴が背もたれから起き上がって言った。