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月の裏で会いましょう-revised-
第5章 臆病風
昴は言いながら後部座席に頭を突っ込むようにしてガサゴソなにかを探し、私に向かって腕を差し出した。
手にしたレジ袋の中にはカイロジスティックスの黒いポロシャツが入っていた。
「びしょ濡れで風邪ひくよ。これに着替えて」
「ああ」
おかしな勘違いをした私は顔が赤くなるのをごまかして、慌てて袋からポロシャツを取り出した。
昴が背を向けたのを確認し、雨水で重くなったニットをめくり上げた。袋に脱いだ服を入れ、紺色のユニフォームに腕を通そうとして、止めた。
昴の方を振り返ってみる。彼は雨が叩く窓ガラスに頬をぺったりくっつけるようにして外を見ていた。激しい雨がフロントガラスを打ち鳴らし、滝のように流れ落ちていく。
手にしたレジ袋の中にはカイロジスティックスの黒いポロシャツが入っていた。
「びしょ濡れで風邪ひくよ。これに着替えて」
「ああ」
おかしな勘違いをした私は顔が赤くなるのをごまかして、慌てて袋からポロシャツを取り出した。
昴が背を向けたのを確認し、雨水で重くなったニットをめくり上げた。袋に脱いだ服を入れ、紺色のユニフォームに腕を通そうとして、止めた。
昴の方を振り返ってみる。彼は雨が叩く窓ガラスに頬をぺったりくっつけるようにして外を見ていた。激しい雨がフロントガラスを打ち鳴らし、滝のように流れ落ちていく。