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月の裏で会いましょう-revised-
第5章 臆病風
もう、この背中は私を振り向いてはくれないのだろうか。

昴は簡単に、わかったと言って背を向けた。これを期待したはずなのに、ちぎれそうに悔しくて悲しくなった。

一度は運命の相手に出会えたような気がしたけど、結局はこれまで出会った男性たちと同じ、私が心を開かないことで昴もまた私に背を向け、去っていく。

昴、こっちを向いて、と私は願った。

すると、不意に昴が横顔を見せ、そのままゆっくり私の方に向き直った。私はポロシャツを手に持ったまま、胸元だけ隠した。

昴の腕が差し出され、ポロシャツを胸元から取り去られる。

胸元を見つめる昴の視線が、じりじりと肌を焦がすようだった。見られているだけなのに、先端が震えるほどにみるみる引き締まり、きゅっと立ち上がってしまった。恥ずかしさにまた胸元を隠そうとするけど、その手をそっと払われて、昴の視線に肌を粟立てながら、顔をそむけた。
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