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月の裏で会いましょう-revised-
第5章 臆病風
昴は私を抱く腕に力をこめた。

「話してくれて、ありがとう」

昴が囁く。

昴の温かい腕の中で、ゆるゆると体がほどけていくのを感じた。



車から降り立ち、二人で毛布にくるまって山間のリゾート施設一帯の景色を見下ろした。雨に洗い流されたフォレストとスカイパークは、いつもよりも澄んだ光を放って煌めいていた。その山の窪みにできた光の水たまりの上空に目線を動かせば、いつの間にか丸い月が姿を現していた。雨雲が去って濃厚な藍にそまった夜空に、青白い光をにじませている。

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