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月の裏で会いましょう-revised-
第6章 恋が始まる
「今日も一日、よく頑張りました」
昴は言って、ビール瓶のケースにベニヤ板を乗せて作ったテーブルに、グラスを一つ置いて缶のビールを注いだ。
東京、渋谷のブルワリーの、フレッシュホップのペールエール。マスカットのような爽やかな香りと優しい苦味が、渇いたのどを心地よく潤してくれる。
「たまりばのマスターのおすすめ。どう?」
「美味しい」
答える私を、テーブルに頬杖をついて満足そうな顔で見つめてくる。そんなにじっと見られたら、どぎまぎしちゃって飲みづらい。
「たまりばのマスターとは仲良しなの?」