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月の裏で会いましょう-revised-
第7章 陸翔と昴
「だいたい、兄ちゃんはさ、自分のこと棚に上げて、どうして私をモテない呼ばわりするの?私だって普通に恋愛したいって思ってるんだよ。それなのに、私の気持ちを無視して反対するのはどうして?自分の恋愛が思うようにいかないから?自分が彼女ができない腹いせ?」
一気にまくしたてると、陸翔が、まるでどこかが痛むような顔で私を見た。
私の口をついて出た言葉が矢のように兄の急所に突き刺さってしまった、そんな顔だ。
「ちがう」
陸翔がカウンターから出て、私に近づくなり平手で頬を叩いた。頬が引きちぎれるような熱い痛み。骨までその衝撃はしみ込んだ。
「痛い…」