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月の裏で会いましょう-revised-
第7章 陸翔と昴
「あの男はやめろ」
陸翔はカップをさげ、勢いよく水で洗い流しながら言った。
「なんで?」
「お前を幸せにはできない」
「そんなことない。だって私、昴と一緒にいると、本当に幸せだよ」
「それは…まやかしだ。そんな気持ちはすぐに醒める」
陸翔はごしごしと力任せにスポンジをこすりつけてカップを洗いながら言った。
昴という人間が軽んじられている気がして、首から上に血が上った私は語調を荒げた。兄を言い負かしてやりたいと思った。