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一夜限りでは終わりたくない
第2章 曖昧な関係

ドアを開けると、一斉に中に居る人たちの目線がこちらに向いた。

そこには、一番奥にお爺様、そしてお父様、お母様と思われる人がテーブルに座っている。

そして、テーブルのまわりには、この家で働く家政婦や執事のような方々が数名立っていた。

当然ではあるが、皆が驚いて目を大きく見開いたように感じる。
最初に声を出したのは、お父様だ。
当然、私もこの男性は知っている。
うちの会社の社長なのだから知っていて当然だ。

「翔也…お客様が来ていたのか…驚いたぞ。」

それに続きお母様も声を出した。
このお母様はとても優しそうで、上品な女性だ。

「翔也さんがお友達を連れて来るなんて初めてね…なんだか嬉しくなってしまうわ。」

最後に声を出したのは、奥に座っているお爺様だ。
もちろん、会社の会長だ。

「翔也…立っていないで早くお嬢さんを座らせなさい…皆からいろいろ言われて可哀そうだろ。」

この状況で私の頭はパニックになりそうだ。
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