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9歳差のジレンマ
第3章 俺と間宮と晴菜と亮
「とにかく!」
あぁ。
「姫ちゃんだって一生バージンじゃねぇんだ。
いつかは誰かに抱かれる。
それが純は、自分じゃなくてもいいのか?じっくり考えろ!」
「・・・・・」
「それからな!姫ちゃんをどうにかする前に
彼女をどうにかしろ!二股はすんな!彼女にも姫ちゃんにも失礼だ!
今日はお前がおごれ。くだらねぇ話を長々と聞いてやったんだ。
それぐらい俺に感謝しろ!」

帰り際に雄二はそう捨て台詞を吐いて
タバコに火をつけて帰って行った。

俺じゃない誰かが晴菜を抱く。
優しく、オンナ慣れしている亮が大事に抱くのか。
荒々しく、高校生の佐藤が思春期特有の感情で抱くのか。

そのどっちも、我慢ができないと思った。

まずは・・・
雄二の言うとおり間宮のことをはっきりさせよう。

間宮とはっきりさせようと思ってから
間宮と話すチャンスをうかがっていたが
なかなかそれは訪れなかった。

俺も間宮も仕事は殺人的に忙しかったし
間宮は転勤のことを女性の課長に相談しているらしかった。

俺に相談したことも驚きだったが
女性とはいえ上司に自分の身の振り方を相談したのには驚いた。

間宮はそれほど今回の決断には慎重だった。
そんなときに本当の恋人ではないとはいえ
俺のことで煩わせていいのかわからなかったから
無理に間宮との時間を取ろうとは思わなかった。

間宮も主任ごときの俺に相談するより
女性の課長に相談したほうが参考になると思ったんだろう。

あれから俺たちの間に転勤の話は出なかった。

俺に相談をしないということは
俺のためにここに残るという感情はないわけで
改めて俺たちの関係が
セフレに近い恋人未満だったんだと思い知らされた。


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