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第9章 電車通学③

「忙しい…ですかね」

へらっと笑う僕を見て前野さんの顔が曇った事になんて全然気付かずに、恋をしてからコロコロと忙しく気分を変える心を思い出してた

「って事は彼女いるんだ」

「いますよ」

「良いなぁ！青春だね！青春！」

「受験生にも青春くらいはあるんじゃ…」

「あっても良いと思う？」

「良いんじゃないですか？」

横にいた前野さんが視界から消えたのは彼女が不意に立ち止まったせいだ