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年上主義
第1章 電車通学①

「どうぞ」でも「いえ」でも何か一言くらい言えば良かったのに、彼女の美しさに声も出なかった

微笑んだ彼女は満員電車に乗り込んで、僕は動けずに1本乗り遅れた

まさにそれを一目惚れと言うのだろう
部活の帰りの電車ではいつも彼女を探して声をかける努力をしてきた

『でも、今更なんて声かけたら…』って思いが強すぎて、未だ成功ならず

それが妙な進展を迎えたのが今日の出来事

今日こそは声を掛けようと同じ列に並んでいつものようになんて言おうと悩んでいるうちに電車が来て乗り込んで行く

ここまではため息が出るほどいつもと同じ
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