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わたしの彼は 甘くて強引
第9章 紳士な意地悪は如何ですか?

陽子は早速プリントに書き始める。
《しょーおにいさんにパパになってもらって……》
「やめなさいって…///」
「ハハ…」
そんな母子のやりとりを、翔は和やかに眺めている。
“俺が父親か…”
何だろうか、
このくすぐったさは
「――…」
なかなか鋭い――
「……これで、子供の許可は下りたと言うことですね」
誰に言うでもなく意味ありげにボソッと呟かれた言葉
「――…!」
その言葉を
多恵はかろうじて聞き取った。
―――――
それは休日のアパートにて
家族三人、いや――
母子と、他人の男がひとり
彼等がつどったささやかなランチ
「…今度は是非、俺の手料理もご馳走しますよ」
別れ際
翔は二人にそう告げて、そのアパートを後にした。

