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家庭教師のさよ子先生 誘惑のノースリーブ
第8章 ABC4 みんなの同窓会
 10月の涼しい風に吹かれながら私は電車に乗って、JR京都駅の改札口を出ました。

 そこに待っていたのは……


「お久しぶりです、さよ子先生。僕のこと分かりますか?」
「えっと……あきとくんだよね? いつの間にこんなに立派に……」
「はははっ、そうですよね。あの頃の僕は小さくてひ弱な小学生男子でしたから。南東寺でバスケ部に入って湖南医大でも続けてるんですよ」

 175cmはありそうなスマートで引き締まった長身にスーツを身にまとっていたのはかつて私が中学受験を指導していた|赤城《あかぎ》|彰人《あきと》くんで、どこかあどけなさの残る表情で辛うじて気づきましたがあの小さくてかわいかったあきとくんがこんなに立派な19歳の青年になっていたことに私は驚きました。

 あきとくんはあれから中高一貫の南東寺中学校に合格し、今年の春からは現役で合格した滋賀県の国立医大である湖南医科大学の医学部医学科に通っているのでした。

「あきとくん、あの時は本当にごめんね。私あきとくんの学校にまで行ったのに結局は1年だけでお別れになっちゃって。あれから小学校でいじめられなかった?」
「女子大生とお付き合いしてる変な奴だとは思われてましたけど、嫌なことを言われたらちゃんと言い返すようにしたんです。中学校からは肉体的にも強くなろうと思ってバスケ部に入ったんですよ。今日はよろしくお願いしますね」

 あきとくんはそう言うと私の左手を右手でさっと握って歩き始め、その力強い手つきに私はごくりと唾を飲みました。
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