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結ばれなかったパートさん 〜寂しいブルーベリー〜
第4章 見せてくれるパートさん
転勤生活を長く続けていくと、知り合いが増えます
ほとんどの方はその場限りの関係ばかりですが、仲の良かった方とはメールでのやりとりが何年も続くことがあります
とある休みの日、
ボクは朝早くから家を出て高速道路をひたすら突っ走ってました
その日と翌日に連休をとっていて、遠距離恋愛の彼女さんに会いに出てました
高速道路でひたすら休憩無しで走っても4時間以上かかります
田舎の山の中を通る高速道路はほとんどカーブも無く、ひたすら真っすぐです
大きな町に近づけば車の数も増えてきますが、ここはまだ山の中、ほとんど車は走っておらずボクが独り占めしているような状況でした
ひたすら走っていると携帯のバイブが着信メールを告げてきました
直進だし、そんなに飛ばしてないからチラ見ぐらいはいいかな?と画面を開けました
相手は5年前に一緒の店で働いていたパートさんでした
彼女は年齢も近く、仲は良かったですが、特にロマンスが起こったこともなく、本当にただのお友達です
前の職場をボクが離れたあと、そのパートさんは当時交際していた彼氏さんとめでたくゴールイン、寿退社された方です
結婚してすぐにお子さんも授かって、今は子供さんも大きくなってるそうです
だいたい1年に2〜3回のペースでやりとりがありました
その人との共通点が少しありまして、ふたりとも映画が好きだということで、大抵はあの映画観た?良かったよ!とか感想を言い合うような間柄となっていました
そのときも「おひさ〜!例の新作見た?」て感じのメールでした
こちらも運転中なので短文を送ります
スマホが無い時代で携帯のボタンでの文字入力ですから、手元を見なくても指だけで文字を打てます
「おお、半年ぶりだな!今日から連休だから帰省しようと思って今は高速走ってるよ」
パパパパ!と指だけで打ち込んで送信します
目線は前を向いていますが、直進なので特に問題が無かったです
ただ、この先はインター出口の合流がある場所なので次のメールチェックはできないでしょう