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君とメメント・モリ
第10章 12月25日クリスマスの朝 オフィスにて
拓斗は凛の異様な驚きぶりに、ちいさめの、どちらかというと可憐な少女を思わせるような愛くるしい瞳を見開いた。
「ごめん、びっくりさせちゃって・・・そんなに驚くなんて、ちょっとショックかも」
拓斗は足音をたてずにゆっくりと凛に近づき、昨日は、ごめん、と押し殺すような声で呟いた。
昨夜であればさすがの凛も激高しただろうか。身近に置かれたものをなりふり構わず手に取って投げつけただろうか。けれども今の凛にはすでに、拓斗に向けるエネルギーは残っていなかった。
「ごめん、びっくりさせちゃって・・・そんなに驚くなんて、ちょっとショックかも」
拓斗は足音をたてずにゆっくりと凛に近づき、昨日は、ごめん、と押し殺すような声で呟いた。
昨夜であればさすがの凛も激高しただろうか。身近に置かれたものをなりふり構わず手に取って投げつけただろうか。けれども今の凛にはすでに、拓斗に向けるエネルギーは残っていなかった。