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君とメメント・モリ
第6章 なぜ死神は現れたのか
「こんなに食べ物がおいしいなら、人間は生きていて楽しいだろう。それに今夜は、世界中の誰もが幸せそうにすごす特別な日だ。なのにお前は、どうして死のうとしたんだ」
手首を掴んだまま、死神は凛に尋ねた。凛はうつむいたまま静かに答えた。
「言わなければいけませんか」
「ああ。俺をこんな姿にした責任だ。言え」
凛はため息をつき、あきらめたようにフォークをテーブルに置いた。そして、ベランダの柵に立つまでの経緯を死神に説明するために、今日の昼休みの出来事を思い返した。
手首を掴んだまま、死神は凛に尋ねた。凛はうつむいたまま静かに答えた。
「言わなければいけませんか」
「ああ。俺をこんな姿にした責任だ。言え」
凛はため息をつき、あきらめたようにフォークをテーブルに置いた。そして、ベランダの柵に立つまでの経緯を死神に説明するために、今日の昼休みの出来事を思い返した。