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お見合い
第1章 お見合い…
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「あのぉ、趣味は何ですか?」

 わたしはお見合いの席で、必ずこんな決まり言葉の質問を問う。



「あ、は、はい、私はドライブが好きで、週末は良く……」

「俺は料理が好きなんですよ…
 あとは食べ歩きかなぁ…」

「僕は映画鑑賞ですかね、洋画、邦画問わず、話題作なら何でも観ますよ…」

「うーん…ジョギングや、ジムに通って鍛えてます…」

「そうだなぁ、演劇か、あ、最近はミュージカルにハマっててぇ…」

「実はお恥ずかしいけど『夢の国』が大好きで…」

「サーフィンやスノボー、あ、スケボーもやりますね…」

「もっぱら休日は自分でコーヒーを淹れて、読書三昧してます…」

「温泉が大好きで、あちこちの温泉巡りしてますよ…」

「旅行が好きで、国内外問わず、休みによって旅行三昧ですかねぇ…」

 正に十人十色、様々な趣味嗜好、好みがある…

 だがこの質問は…
 お見合いの席や、或るいは、今流行りのマッチングアプリ等での相手への質問なのだ。

 つまりは結婚を前提とした、いや、結婚へ通ずる付き合いを仮定しての…
 相手の事を知りたいが為の質問である。

 しかし…
 たいがいの答えは、相手に興味を惹いてもらいたいが為の繕った答えであり、自分自身の本質の答えではない。


「じゃあ、アナタの趣味は何ですか?」
 そして次にはほぼ必ず、そう訊いてくる、いや、間違いなく訊かれる。

 だって、普通に、知りたいから…
 いや、それは当然だから。

「え、わ、わたしですかぁ…
 うーん、そうですねぇ、わたしはぁ…」
 だからわたしは正直に話す事にしている…



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