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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第11章 カゴノトリの生活

『せやけど…、一花ちゃんには
今は…お琴のお稽古
頑張ってもろとるし…なぁ~。
明日…どっか泊りに行こか?
ああそうや、結局嵐山…
この前は行けへん終いやったし…、
嵐山にしょーか…ええとこあんで』

そう言えば…先月に
先斗町の料亭に行った時には
嵐山には行けないままだったので。

来月の納涼床での宴席の為に
…お稽古を頑張っているご褒美に
嵐山に行こうと、直哉がそう言って来て。

多分…前のあの温泉旅館みたいな
直哉様がええとこと言う位なので
”いい所”である事は確か…なんだろうけど。

『明日、ええ天気やったら。
屋形船で昼食べよな』

もう行く事になってるし、
お昼は屋形船で…頂く様だ。
直哉様のこの思いつきは…
自分で予約の連絡してる感じもしないし。

何時予約の連絡してるんだろう??

「あの……」

『どないしたん?』

その疑問を…直哉に質問してみると。

『実家にも居ったやろ?
イズミってちっこいオッサン。
家にもおんねん、そのイズミの息子』

そうだ…イズミさん…
御本家の執事さんだった…。
和風のお家なのにスーツ姿だった人だ。

『コピーかいな言うほど
めっちゃそっくりやで?
後で呼んだるわ、見てみ
同じ過ぎてビビんで。
せやから、一花ちゃんは
なんも心配せんでええで?
あのイズミのオッサンに
みぃーんな、任せといたらええねん』

夕飯の用意が整ったと
使用人の人が声を掛けて来て。
いつも通り錦鯉の間で
直哉様と一緒に夕食を摂って。

お腹が落ち着くまでの間
直哉様の枕になるお仕事をして。

その後は一緒にお風呂に入って、
その間に錦鯉の間は
お布団の支度が整って居るから。

髪の毛を直哉の手で椿油を塗って
綺麗にお手入れをして貰って。

その後は…夜のお勤めをさせて頂いて、
その日の夜は就寝した。


明日は…嵐山かぁ……、


楽しみだなぁ…嵐山…。




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