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淫夢売ります
第15章 淫らな紋章:求める罪
私は頭を振って、淫靡な記憶を振り払おうとする。
しかし、一度思い出すと、こういった記憶が次々と浮かんでくる。

裸で横になった男性の股に顔を近づけ、ペニスをしごきながら、その匂いを嗅いでいる記憶。匂いが頭がいっぱいになり、興奮している、その気持ちまでありありと思い出す。

どうして?!

ベッドでお尻を突き上げ、誰かに挿入を懇願している記憶。
太ももまで垂れている陰液の滴りまで思い出してしまう。

なにこれ!?

座位でセックスをしながら、舌を長く出し、見ず知らずの相手男性の唇を貪ろうとしている記憶。
突き上げられるたびに脳髄に走る快感。背筋がゾクゾクするような気持ちよさが思い出される。

やめて!やめて!

連続して襲ってくる淫らな記憶の奔流に、私は頭を抱えてうずくまる。
しかし、その記憶は私の身体を高ぶらせるには十分な刺激だった。アソコが疼く。
先程目にしたアダルトグッズが頭から離れない。テーブルの存在が気になって仕方がない。

あれで・・・あれで・・・気持ちよくなりたい・・・。

『一、淫紋は被験者の性欲動を徐々に高め、最終的には本来生体が持ち得る最大の状態にまでする。』

ああ、性欲が高まっている?
言われてみれば、お腹のあたりがジンジンと熱い気がする。私だって、彼氏がいたこともあるし、性体験もあるし、セルフプレジャーの方法も知ってはいる。しかし、私の知っている私は、こんなふうに高ぶることはなかった。
いつもと違う・・・
いつもより・・・数倍興奮している。
なんで?なにもないはずなのに・・・。

『一、淫紋は被験者の性感度を徐々に高め、最終的には本来生体が持ち得る最大の状態にまでする。』

性感が・・・高まっている?いつもより・・・気持ちいいということ?
ゴクリと喉が鳴る。

『一、淫紋の被験者は、その性衝動を束縛する力から徐々に解放され、最終的には快楽の欲するままに行動する自由を得る。』

衝動が・・・抑えにくい。須貝に見られている・・・ということが、抑えにならないのを感じる。見られてもいい・・・むしろ、見られたいとすら思っている。それに伴う興奮をすら快楽として感じたいと思い始めている。
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