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淫夢売ります
第17章 淫らな紋章:堕ちる罪
「夢を終わらせる方法を聞きたくて・・・その・・・これ以上は・・・怖くて・・・」
どう表現したらいいかわからない。話していると、どんどん自分が淫夢にのめり込んで、堕ちていってしまっていると白状しているような気持ちになる。

「淫紋の消去期限ですか・・・。なるほどね・・・」
ユメノは人差し指を顎に当てる。上目遣いで何やら考えているふうだ。
「すいません。最初に説明したと思うのですが、夢の内容は選ぶことができないのです。当店のカードは淫夢の種のようなもので、それがどのように芽吹くか、どのように広がるかはお客様次第というか・・・。」
歯切れが悪くなる。
「そうは言っても、身につけていないのに知らない間に淫夢を見ててい・・・夢の中ではどんどん日が経ってしまって、これ以上行くと、本当に・・・」
「戻れなくなるんじゃないか?」
見透かすようにユメノが言う。
私は素直に頷いた。このままいけば、私の心は完全に淫紋に支配されてしまう。それが怖い。
「これも最初に説明したことですが、当店のカードは貴方様の欲望に沿った夢なんですよ」
ユメノが笑う。漆黒の瞳が三日月のように歪む。初めて、ユメノの笑顔を怖いと感じた。
「もしも・・・戻れないとしたら、それこそが」
「私の欲望だと?」
「そのとおりです」

そんな・・・
「じゃあ、夢を止める方法は?淫紋を消す方法は?」
「あれ?夢の中で説明されていませんでしたか?本人が消したいと望めば消えると、望めばよいのではないでしょうか?できるものなら・・・」
ユメノがその漆黒の瞳で私を見つめる。
吸い込まれるような瞳の色。まるで夜の闇のような、夢の底のような・・・。
急速に眠気が襲ってくる。

ダメ・・・眠っちゃ・・・
私が自分の意志で思えたのは、それが最期だった。
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