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淫夢売ります
第19章 淫蕩遊戯:嗜虐の楽園
☆☆☆
半信半疑で、初めてカードを抱いて眠った日、気づくと私はあのマンションの扉の前に立っていた。夢なのに、「自分は夢の中にいる」と、しっかり気づいていた。

これが、モルフェの夢の中?
たしかに、いつもの儚い夢とは全く違う感じがした。なんというか、何もかもがリアルだ。まるで異世界にいるかのようで、現実ではないけど、現実的なのだ。

扉の鍵が自分のバックに入っているということは何故かわかった。
鍵を開き、中を覗く。すごく豪華なマンション。多分、普通に買えば億単位のお値段だろう。

心なしか、花の香りのようないい匂いがする。

そして、夢の中の私は、ここが私の家だ、と思っている。
どこに何があるかということも知っていた。

エントランスに入り、靴を脱ぐ。広めのLDK。右手にある姿見にはいつもの冴えない私が映っていた。

その横にはウォークインクローゼットがある。開くと洋服からバックから、これもまた一流品があふれていた。

すごい・・・。

適当に部屋着を取り出し、着替える。この部屋着すら、普段の私では絶対に着ないような質の良いものだった。

キッチンに冷蔵庫、中にはきちんと食材が入っていた。生活をしている感じがしっかりする。キッチンから見て、右手の奥は寝室、そして、左手の奥は・・・奥は・・・?

あれ?なんだろう?

そこは、なにか大切な部屋である、ということだけがわかるが、何があるかは分からなかった。

そっと、扉を開けてみる。部屋は10畳ほどの広さがあり、周囲正面に窓、右手にこの部屋専用のトイレと洗面室がある。
左手は棚が据えられている壁である。棚は可動式でいろいろな形にできるようだ。
特に他に家具はなく、がらんとしていた。

ただ、中央にあるものを除いてだ。

中央に据えられたモノをみて、私は目を疑った。

「さ・・・里原主任?」

椅子が一脚。それに後ろ手に縛られ、上半身裸の状態の里原主任がいた。
口には何かボールのようなものを噛まされてる。
後から知ることになるが、あれはボールギャグという猿ぐつわの一種だ。
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