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淫夢売ります
第21章 Deep Sea:沈む海
☆☆☆
「夢占モルフェって知ってる?」
休日の外出計画を立てているとき、佳奈が言った。
モルフェ?聞いたことがあるような・・・。
「夢占いをしてくれる穴場なんだって」
佳奈は、その専攻に反して、いや、ふさわしくかもしれないが、オカルト的なことが好きだった。部屋にも『ユング』だとか『神秘学』などの書物がちらほら見える。容姿から考え方まで普通づくしの彼女の唯一不思議ちゃんなところが、このオカルト志向だ。
かくいう僕も嫌いではない。そもそも二人が出会ったサークルがオカルト研究会だ。怪しいことこの上ない。ただ、僕はオカルトの中でもどちらかというと怪談とか、怪異の方を好むが、彼女は精神世界とか神秘体験に憧れているようだった。
夢占いは僕にとっては専門外だった。
彼女がいうには、夢というのは人間が別次元の多重情報装置から受け取った信号のようなもので、過去や現在、未来の情報が重層的に含まれているのだという。適切な方法で解き明かせば、そのなんとかいう記録装置にアクセスすることもできる・・・らしい。
「前世とかが夢に出てくるのも、そういう理由だってさ」
もちろん、理学部である僕たちは本気でそんな話を信じていない。そういう考え方もある、ということを楽しんでいるのだ。僕たち以外の人が聞いたらちょっと引き気味になるような話題も、この共通認識があればこそ、僕らの間では楽しい娯楽として成立する。
その夢占いの専門店であるモルフェという店に行きたい、というのだ。
「ここ、雑誌とかにも取り上げられたことがないし、どういうわけかネットにも情報が殆どない店なんだ。人づてにしか知られないっていう、知る人ぞ知る店。なんか、ワクワクしない?」
わくわく、のところでホントに目がキラキラしていたので、僕は行くことに同意した。
可愛かったからだ。
「夢占モルフェって知ってる?」
休日の外出計画を立てているとき、佳奈が言った。
モルフェ?聞いたことがあるような・・・。
「夢占いをしてくれる穴場なんだって」
佳奈は、その専攻に反して、いや、ふさわしくかもしれないが、オカルト的なことが好きだった。部屋にも『ユング』だとか『神秘学』などの書物がちらほら見える。容姿から考え方まで普通づくしの彼女の唯一不思議ちゃんなところが、このオカルト志向だ。
かくいう僕も嫌いではない。そもそも二人が出会ったサークルがオカルト研究会だ。怪しいことこの上ない。ただ、僕はオカルトの中でもどちらかというと怪談とか、怪異の方を好むが、彼女は精神世界とか神秘体験に憧れているようだった。
夢占いは僕にとっては専門外だった。
彼女がいうには、夢というのは人間が別次元の多重情報装置から受け取った信号のようなもので、過去や現在、未来の情報が重層的に含まれているのだという。適切な方法で解き明かせば、そのなんとかいう記録装置にアクセスすることもできる・・・らしい。
「前世とかが夢に出てくるのも、そういう理由だってさ」
もちろん、理学部である僕たちは本気でそんな話を信じていない。そういう考え方もある、ということを楽しんでいるのだ。僕たち以外の人が聞いたらちょっと引き気味になるような話題も、この共通認識があればこそ、僕らの間では楽しい娯楽として成立する。
その夢占いの専門店であるモルフェという店に行きたい、というのだ。
「ここ、雑誌とかにも取り上げられたことがないし、どういうわけかネットにも情報が殆どない店なんだ。人づてにしか知られないっていう、知る人ぞ知る店。なんか、ワクワクしない?」
わくわく、のところでホントに目がキラキラしていたので、僕は行くことに同意した。
可愛かったからだ。