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淫夢売ります
第21章 Deep Sea:沈む海
☆☆☆
ここは?

気がつくと僕は暗い海岸にいた。
あれ?さっきまで佳奈とホテルにいたはずでは?

そう思い、気がついた。
ああ、これが夢なのか?周囲を見回してみる。海の向こうに満月が綺麗に昇っている。月明かりが海にたゆたうように落ちていた。

ざーん、ざーん、ざーん

規則的な波の音が安らぎを誘う。
暑くもなく、寒くもない。海風が程よく心地良い。

こっちかな?
なんとなくだけど、自分が向かうのはこっちであるべき、という不思議な感じがあった。夢だからだろうか?ただ、そっちに行ったからといって何があるか、明確にわかっているわけではない。

浜辺を歩いていると、高台に家が見えた。家、というよりも西洋の城、に近い風情だ。確かにここは日本であるにも関わらず、それはドイツなどにあるような古城に見えた。

どうしてもあそこに行くべきだと、強く思った。遠くに見えたが、少し歩くとあっという間にたどり着いた。
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