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淫夢売ります
第25章 調教彼女:蕾の味
☆☆☆
ここはどこだろう?

僕は見慣れない部屋にいることに突如気づいた。
部屋は暗いが、目の前の壁は一面が窓だった。そこに広がるのは・・・。

新宿?

キラキラとした銀河の星々が地上に落ちたような新宿の夜景だった。
部屋の広さは15畳程だろうか?左手の壁には大きな絵画がかかっており、その前にテーブルとデスクライト、右手にクイーンサイズの大きなベッドがある。
どうやらホテルの一室のようだ。しかも、かなり高級なホテルだと思われる。

ベッドの上でもそり、と何かが動いた。

なんだろう・・・。近づいて、僕は目を疑う。
そこに、全裸の茉莉が眠っていた。

よく見ると、サイドテーブルに茉莉の愛用している大ぶりの丸い眼鏡が置いてある。今の茉莉は文字通り一糸まとわぬ生まれたままの姿だった。

どういうことだ?
ゴクリと喉をならし、僕は記憶をたどる。ここに僕はどうやって来た?

そうだ、今日は昼間夢占モルフェに行ったんだ。そこで、ユメノという女性に会って、それから・・・そう、カードを買った。

『花束を持った女性』のカードだった。

女性は花冠を戴いており、その抱えている花束はいくつものほころびかけた美しい花を束ねたものだった。その女性の横顔が茉莉に似ている、と思ったので、選んだようなものだ。

それで、そのまま家に帰った。そうだ、そしてユメノに言われたとおりに、カードを枕の下に敷いて眠った・・・。

と、言うことは?
これは夢?

ほっぺたをつねってみる・・・。
痛いな。

夢じゃない?いや、夢だな・・・。夢。
よくわからないが、確信めいたものがある。この世界が本当ではないという。あまりにも現実的な非現実。

そして、目の前に全裸の恋人がいる。

薄暗い室内。ガラス越しの夜の街の光が淡く照らす美しい裸体。服から出ている部分から想像できる通りの陶器のような滑らかな肌。ハリのある乳房と腰回りの肉付き。呼吸に合わせて規則的に動く胸元と唇。

目が離せなかった。
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