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淫夢売ります
第6章 くちなしの恋:あふれる想い
男子の制服は若干着慣れないし、思わず仕草が女性っぽくなってしまうことがあるが、学校につく頃には少し慣れてきた。

男性になっている、という思いと、これはどうせ夢なのだから、という思いがあり、いつもより大胆になっていく自分を感じる。

普段の私はちょっと引っ込み思案で、何かをしようと思っても、色々考えて結局やらない、という選択をすることが多かった。
でも、今は違う。
普段できないことをたくさんやろう。

登校するや、私はちーちゃんがいる5組の教室を訪ねる。この時間、いつもの彼女なら来ているはずだ。

ガラッと扉を開けると、おしゃべりに興じている5組の生徒が一斉にこっちを見る。
窓際の席、前から二番目。
ちーちゃんが同じクラスの結と光莉とおしゃべりしていた。
こっちに気づく。

「あれ?漣くん・・・どうしたの?」

ふわっとした笑顔で言う。それだけで、私はドキドキしてしまう。
そのまま、クラスに入り、結と光莉を押しのけて、ちーちゃんの手を引く。

「え?え?」
私は何も言わず、戸惑うちーちゃんをそのまま引きずるように教室から連れ出す。
教室ではきゃーきゃーと女子たちが悲鳴に似た歓声をあげている。
男子たちは「どうしたどうした」と困惑しながらこっちを見ている。

構うものか。

私はそのままちーちゃんを体育館のある別棟まで連れて行く。

「ちょっと・・・漣くん、どうしたのよ?」

立ち止まると、ちーちゃんがやっと抗議の声をあげる。
そりゃそうだろう。びっくりしたに違いない。でも・・・
私はちーちゃんを壁際に押しやると、やっとそこで息をつく。

時間が・・・きっとない。
これは夢だ。いつ覚めるかわからない。
いろいろあれこれ考えている暇はない。

今の私の身長は普段より10センチ以上高くなっている。もともと、私のほうがちーちゃんより大きかったくらいだから、今、私は壁際でちーちゃんに覆いかぶさるような姿勢になっている。

ちーちゃんが若干怯えたような顔で私を見上げるのに、ここでやっと気づいた。
慌てて顔を少し離す。ついでに距離が近かったことにも気づき、顔が赤くなる。
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